「自分の子供にもそろそろ英語教育を始めなきゃ」と思う親達
ですが自分達もやってきたのに全く英語が喋れない、幼児の英語教育なんて意味がないんじゃないかと感じる親達も多いのではないでしょうか？
ですが昨今、世界的に英語教育はますます進んでいて世界中の国で英語が話されている中ほとんどの日本人は未だに英語が話せません
そんなお悩みに海外留学&現在住の筆者が世界の幼児英語教育と日本の幼児英語教育の違いそして、それらを踏まえた上で親達ができることを紹介したいと思います
そして今回、世界の幼児教育と日本の違いから浮き彫りになった事実を元に幼児期につちかった英語は伸びないのかという疑問に答えていきます。
世界の幼児英語教育
多くの日本人が知る通り世界各国の幼児英語教育と日本の英語教育とでは大きな違いがある
それではこれから世界各国の幼児教育又は言語教育の取り組み方について見ていきましょう。また、所々でポイントとなる重要な部分をリスト化してまとめていきますのでそちらを参考にしてみていって下さい。
ハンガリー
重要ポイント
- 外国語の能力は出来るだけ早く伸ばしてあげる
- 継続して学ぶ
ハンガリーという多民族国家では日本とはまた違う英語教育が施されています
1000万人という比較的少ない人口をもつ中央ヨーロッパの小国、固有の言語が周りの国々の文化や言語に囲まれて一つの島国を形成しているような国であるこの国にとって非常に深い関わりのテーマです
2004年にEUに加盟したこの国では成人に達するまでに二カ国語以上の外国語を話すことがますます求められるようになった
ハンガリーの英語教育では子供は小学4年生から外国語を勉強することが義務化されています
そんなハンガリーでは外国語の能力を伸ばすことはできるだけ早く始めた方がいい、むしろ始めるべきだという考えがあります
就学前の外国語教育には特定の授業、イベントだけに限られるのではなく毎日の子供の活動と結びついて一日中継続して行われる必要があります
つまり第一言語の習得と似た方法をとらなければいけません、このような教育環境があってはじめて成績としての英語ではなく使える英語が育まれます
この国では通常2人の教師がいて子供は自然な環境で言語を習得することができます
この国ではもう一つ興味深い教育システムがあり、それがバイリンガルスクールです、この学校では1988年に統一されたこの国のカリキュラムに従って一部の中等教育学校で２カ国語による教育が開始され、その後職業学校や小学校でも始まりました
第二言語の種類は多々あり英語からドイツ語、ロシア語、フランス語、イタリア語、スペイン語、中国語で授業を行う学校もあります
また、ハンガリー国内に住む少数民族（ロマ人、ドイツ人、ルーマニア人、セルビア人、スロバキア人）にその民族の言語でも授業をする、いわゆる「エスニックバイリンガル」学校も多いです
バイリンガルスクールの実践的な側面を見てみましょう。目標言語の集中的な指導が行われ、目標言語の十分な能力が身に付くと、その言語を用いて様々な教科を教えるのです。
カナダ
重要ポイント
- 2歳から5歳の時期は急激に言語が伸びる
- 安心感があると習得が早くなる
- 幼少期につちかった言語は忘れやすい
- 繰り返し練習することが大切
移民政策や多様性に優れているこの国ではこれまた日本ではないような興味深い幼児教育を行っています
州によってもばらつきはありますが基本的に5歳から6歳の子供がkindergarten またはprimary と呼ばれる独立した幼稚園ではなく小学校内に併設された幼稚園に通います
そしてG1〜G12という呼ばれ方をしている小学校、中学校、高校があります、G1〜G6が小学校でG7〜G9が中学校、G10〜G12が高校にあたります
多くの州では6歳から義務教育が始まりますが一部の州では5歳から始まります、この国の都市トロントでは人種、民族が多様で幼稚園の教師も外国語を話す子どもが英語を使う幼稚園の生活に自然にとけこんでいくよう指導する経験を積んでいるのです
出生時の赤ちゃんはあらゆる言語のどんな音も聞き分けることができますので幼稚園は子供が言語能力を身につけるように導くことを一つの目標にしています
バイリンガルの子どもの語彙には、１つの意味に対して２つの異なる言語の単語が存在することが研究でわかっていてたとえば、(共に家を意味する) house と maison は、子どもが最初に覚える50語に入っていますですが習得する言語が一つだけの子どもは、覚えた単語が50語の段階を優に超えるまで同義語を覚えようとはしないのです
子供は単純な言語を2歳で使い始め5歳で複雑な文を作れるようになります、この時期は急激な言語習得の時期としても知られています
さらに安心感があると習得も早いと言われていてトロント教育委員会の保育アドバイザー、カーティナ・ヒューズは言います。「子どもを迎えるにあたっては、親子を園の見学に招き、日頃慣れ親しんでいるものを持参させ、しばらくの間親に子どもといっしょに過ごしてもらってください。子どもが何が好きで何が嫌いかを見つけて、英語で保育が行われる幼稚園に馴染むのは子どもと親どちらにとっても難しいことを理解してください。」
しかし、第二言語の習得は英語の単語を語彙の中に単純に加えていくことではない。「子どもが一人の人間として安定した気持ちを保つには、第一言語を知っていることが必須です。」
第一言語は本人の生まれた文化を伝え、自分が何者かという自覚をもたらす。「子どもに母語で本を読み聞かせたり、韻を踏んだ言葉を口ずさんだり歌を歌ったりするよう親にすすめてください。」
また今回の記事の問題にもある通り幼少期につちかった言語は忘却しやすいということが言われています
忘却を防ぐには子どもが言語で繰り返し練習することが必要であることが研究結果からもわかっています
母語と英語いずれの言語もその２つの言語を話す教師が幼稚園にいる場合、より早く習得される
そこでライアソン大学の「子ども教育学部」が教師の訓練施設として運営する「全日保育」では、キーワードになる単語を子どもの母語の発音通りに教師が書き取り、その発音で子どもに話しかける
英語と、たとえば中国語の両方に存在する単語の絵や写真を使用する。母語で録音されたお話や歌を流す。地図も使う。親に単語リストを渡して、子どものために訳してもらう。随時、他の部署から、子どもと同じ言語が話せる教職員を連れてくるということをしています。
その他諸外国、イギリス、アメリカ、スウェーデン、フランス、ドイツ
ここでは主に複数の国々を相対的に見た幼児教育のしかたについて見ていきましょう
上で紹介している国々を見ていく前にまずは幼児教育における二つのベクトルを教えます
世界各国の幼児教育には主に2つの種類が存在します(1)就学準備やのちの学校教育えの順応を重視するタイプの「学校へのレディネス（readiness for school）」
(2)幼児期を想定する「ソーシャル・ペダゴジー（social pedagogy）」の伝統に則り、生涯学習の基盤として幼児期を位置づけ、ケア・養育・教育に対してホリスティック（包括的）なアプローチをとる幼児教育
今回紹介する国の中ではアメリカ、イギリス、フランスが前者のタイプを採用し、ドイツとスウェーデンが後者のアプローチを推進してきたと言われている。
また、ニュージーランドはやや就学準備型のアプローチであり、韓国はホリスティックなアプローチをとっていると言われている。
アメリカ
この国の特有の「自助」の考え方をもとに教育の地方分権化が確立しているアメリカでは、州レベルあるいは地方学区レベルにおいて多様な基準を設定し、「ユニバーサル・サービス」としての幼児教育サービスを提供している。
教育の内容に関しても全米で統一されたスタンダードはなく各州でばらつきがある、なので各州においてのスタンダード「コア・カリキュラム・スタンダード」の開発が進んでいる。
2009年から各州で共有する初等・中等教育の参照基準の策定が、州の連合体によって行われている。そこでは、伝統的な教科・科目別の知識・技能だけではなく、21世紀型スキル（21st Century Competencies）と呼ばれる分野横断的な考える力の育成が目指されている。
そして、その前提として、幼児教育において基礎・基本を定着させることが重要であると考えられている。
イギリス
基本的に地方分権化をベースとするアメリカとは異なり、イギリスでは1999年から幼児教育のナショナル・カリキュラムが導入され、2008年には０歳～５歳を対象とする「乳幼児基礎段階（EFYS：Early Years Foundation Stage）」が設定された。
フランス
基本的に３歳から通う保育学校 を「最初の学校」として位置づけているフランスでは、保護の役割も果たしつつ、学校教育としての幼児教育が重視され、保育学校と小学校の教育的連続性が求められてきた。
そのため、保育学校は初等教育に含まれ、小学校と一貫した教育プログラム（学習指導要領）にもとづいた教育を行っている。この学習指導要領では、子どもたちが習得すべき能力（コンピテンシー）を定めている。
それらは、（1）横断的な能力、（2）言語の習得に結びついた能力、（3）教科の能力、の３つがある。
ドイツ
「学習」に力点を置いてきた米英仏の３か国とは異なり、ドイツでは思想的ならびに政治的な諸理由から「生活基盤型」の幼児教育が長年にわたって行われてきた。
しかしながら、2000年代に入ってからのいわゆる「PISAショック」を背景として、就学前教育の重要性が広く認識されるようになった。
そして、生活重視・ホリスティック型の考え方と学習レディネスを重視する考え方との間でせめぎ合いが起こり、学習面に一定の配慮をした新しい幼児教育カリキュラムが導入されたりしている。
ただ、ドイツの教育システムは地方分権化をしていて幼児教育の考え方についても州ごとでバラつく。
スウェーデン
「世界で最も発展したシステムのひとつ」とも称されるスウェーデンの保育制度は、ケア・養育・教育をホリスティックにカバーするとともに、充実した社会保障制度にもとづき財政面でも充実し、保育の質においても優れたレベルにあると考えられている。
しかしながら近年、政治情勢や経済の変化から生活基盤型から就学準備型へと幼児教育のアプローチが転換をみせるなかで、幼児教育の「学校化（schoolification）」が進んでいるという懸念も指摘されている。
現代日本の幼児教育
では、日本人が英語を喋れない原因、日本の幼児教育について話していきます。
日本の教育基本法
◼ (第11条)幼児期の教育は、生涯にわたる人 格形成の基礎を培う重要なものであることに
かんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の健 やかな成長に資する良好な環境の整備その 他適当な方法によって、その振興に努めなけ ればならない。
このことからもに日本の幼児教育において幼児教育＝生涯にわたる人格形成の基礎を見据えるということがわかる
そして日本の最も面白いことが日本の幼児教育でとりわけ共感性、集団性、社会性、協調性が重視されることが、海外研究者（J.トビン、C.ルイス、J.ヘンドリーら）によっても指摘されてきたということ
そのほかにも「民間部門の活力」という特徴がある、どういうことかというと日本の幼稚園は私立が多く、また、民間企業が提供する幼児向け教材や絵本、商品、サービスがきわめて豊富である。
さらに、民間の幼児教育産業（通信教育や習い事教室など）が広く普及しており、国内のみならず海外でも多様なニーズにこたえている。
このことからも英語教材や英会話教室が普及しているのにも関わらず大勢の人が英語を満足に使えないというのが現状で疑問が残る。
参考日本における(超)早期英語教育の是非:学習の「入り口」と「出口」そして「仲間」を考える 東矢 光代
また、各保育所、幼稚園などの幼児教育現場の英語活動を見てみても面白いことがわかってきました
参考 「幼児現場における英語活動の実態とその方向性 秀 真一郎」より
日本の幼児教育現場において保育園側の英語に関する理解が低いため取り組みや目的がはっきりしておらず継続性のない経験としての英語にとまっているのである
各幼稚園、保育園ごとの英語教育の取り組み度合いにもばらつきがあり公教育における英語の発達は期待できないのです。
幼児期に身につけた英語は将来的に伸びない？
A. 大いに伸びる
今まで言われてきた周りの親達と同じような方法では伸びないのは明白です
ですが今回色々な国の幼児教育の方法をみてきて浮き彫りになった事実から親が子供に工夫したサポートをしていけば子供の成長期の体と同じように子供はぐんぐん伸びています。
親にできること
ここまでは世界の幼児教育と日本の幼児教育についてみてきました
ではこれから日本と海外の幼児教育のギャップをみた上で親ができることについていくつかのポイントにまとめてみたのでご紹介していきます。
- 幼児の英語教育はできるだけ早く取り掛かるべき
- 継続して練習することが大切
- 安心感を与えてあげる
それでは以下の事について詳しく説明していきます。
幼児の英語教育は出来るだけ早く取り掛かるべき
世界各国の幼児英語教育を見てもわかる通り幼児の英語教育は出来るだけ早く取り掛かるべき
特に2歳から5歳のじきは発達が早いので教材や教室に通わせてあげるなどのサポートをしてあげましょう
特に英語教育に力を入れたい親達は保育園や幼稚園の英語教育には期待しないでください。
継続して練習することが大切
子供が将来的に英語を堪能に使えることを見据えているのならば幼児期の英語教育は大切です
ですがここでも説明した通り子供は吸収力がすごく、言語の発達がいちじるしいですがそれと比例するように忘れることも多いのです
なので子供には長期的な英語教育を見据えて継続的で頻繁に英語に触れる環境を用意してあげましょう。
安心感を与えてあげる
子供のストレスになるようなことは最悪で無理やりやらせても続かないし伸びません
逆に安心感を与えてあげることで発達が促せることがわかっています
親達は子供を肯定してあげること、間違ってもあまり飲み込みの悪い子供を叱りつけたりするようなことはやめましょう。
子供の将来と日本の未来
今後、日本においての英語需要は下がることなく、どんどんと上がっていくことはみなさんの想像力でも理解できるでしょう
ですが現時点で見てもわかる通り日本の公教育での英語学習には期待できません、親達一人ひとりが子供の未来をあんじて行動をとっていくしかないのです
先程紹介した論文の中にもあった通り日本の英語教育は10年単位で見ても英語需要は高まっているものの英語教育についてもまだまだ理解が低いのが現状です
日本の英語教育が変化をみせずこのまま進んでいったとしても英語を喋れる人間はとても重宝されます
筆者自身今も継続して英語を勉強しています、親の行動がその子供の未来を左右することは言うまでもありません
親達自身も子供と一緒に英語勉強に取り組むことも非常にいいと思います、この記事を基に何か行動を起こしてみましょう。
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